片岡幸助
2025写真展 Regulation


8月20日(水)→9月2日(火)
am 10:00 ~ pm6:00
初日:pm2:00〜
最終日pm4:00まで

在廊日スケジュール(8月)

8月20日(水)14:00〜18:00
8月21日(木)13:00〜18:00
8月22日(金)13:00〜18:00
8月24日(日)10:00〜18:00
8月25日(月)13:00〜18:00
8月26日(火)13:00〜18:00
8月27日(水)13:00〜18:00
8月28日(木)13:00〜18:00
8月29日(金)13:00〜18:00

片岡幸助 写真展「Regulation」レビュー

会場に入るとまず目に飛び込んでくるのは、大きな「目」と「戦」の文字。その下に掲げられたポスター写真は、強烈な光と影の対比で観る人を引き込みます。

今回のテーマ「Regulation(レギュレーション)」は「規則」「決まり」という意味ですが、片岡はあえてそれに“縛られない”姿勢を示しています。人物、風景、花、動物、日常の断片まで、ジャンルを定めずに撮影された多様な写真が並びます。整然とした配置ではなく、天井や壁一面に少し不規則に貼られた展示は、作家自身の“まだ定まっていない心のあり方”をそのまま表しているようです。

モノクロ作品群では影の濃さと粒子感が際立ち、見る者を緊張させます。一方で、カラー作品には花々や夕景、猫の姿など、生活に近い温かさがあります。相反するふたつの系列が同じ空間に共存することで、「決まりごと」から逸脱する自由と迷いが鮮やかに浮かび上がります。

片岡幸助自身がステートメントで語っているように、「何を撮るか」よりも「どう撮るか」「どう伝えるか」が写真の核心だと感じ始めている段階。この展示は、その試行錯誤を正直にさらけ出したものであり、だからこそ観る人には生々しい熱気が伝わります。

実際に会場を訪れて感じたのは、まだ方向性は定まっていないけれど、作品の一枚一枚には強い「やる気」と「熱意」が刻まれているということ。ジャンルにとらわれない柔軟さは、今後さらに独自の世界を築いていくための大きな力になるはずです。

片岡幸助の「Regulation」は、写真を学び始めた人や美術鑑賞初心者にとっても、“自由に撮ることの楽しさ”を思い出させてくれる展覧会でした。